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EU REACHの2018年登録に関する作業の流れ・注意事項

1-100tの数量帯物質の登録期限は、2018年5月31日です。

2017年以降は、ORに作業が殺到しますので、最悪の場合、期限までに登録ができないことがありえます。

登録が手遅れにならないように、また予算の平坦化のために、お早目に作業を始めることをお勧めします。



1. サプライチェイン(SC)のREACH登録のカバーの確認。


(1) 他社のREACH登録にカバーしてもらう場合。


現在、貴社の物質のサプライチェイン(SC)が、ある会社のREACH予備登録にカバーされている場合は、その会社が本登録を進め貴社の物質をREACH登録後もカバーすることを再確認する必要があります。

不採算等の理由で、REACH登録を行わない場合があるからです。

この場合は、貴社自身がLate予備登録および登録を進めねばなりません。


(2) 貴社がREACH登録を進める場合。


貴社のSCが、貴社(OR)のREACH登録にカバーされることが必要です。EU内の輸入者がORのDSU(Downstream User)になることが必要です。



2. Late予備登録。


既に予備登録されていた物質であるため、ORを任命し、物質名、CAS番号、用途、輸入数量等の基本的な情報を提供すれば、Late予備登録は容易に行えます。



3. 登録に向けての手順。


(1) 物質の同一性の確認。


SIEFに参加する際に、物質の同一性を確認するために、以下の情報(環境省仮訳より引用)などをORに提供する必要があります。データ取得に数か月かかります。


各物質の名称又は他の識別名

IUPAC 命名法による名称又は他の国際的な化学名

他の名称(慣用名、商品名、略称)

EINECS 又はELINCS 番号(利用可能な場合に、必要に応じて)

CAS 名とCAS 番号(利用可能な場合)

他の識別コード(利用可能な場合)

各物質の分子式と構造式に関連する情報

分子式と構造式(利用可能な場合、Smiles 記号を含む)

光学活性と(立体)異性体の代表的割合に関する情報(適用可能で、必要に応じて)

分子量又は分子量範囲

各物質の構成

純度(%)

異性体や副生成物を含む不純物の性質

(重要な)主な不純物のパーセント

あらゆる添加物(例えば、安定剤や抑制剤)の性質や含有率(ppm、%)

スペクトルデータ(紫外、赤外、核磁気共鳴又はマススペクトル)

高速液体クロマトグラム、ガスクロマトグラム

物質の特定及び必要に応じて不純物や添加剤の特定のための分析方法又は適切な参照文献の記述(本情報は、その方法が十分に再現できるものとする。)


(2) SIEFへの参加(SIEFが存在する場合)。


SIEFが存在し、100t以上の会社等が登録を済ませている場合は、貴社の物質(100t未満)の登録は、比較的速やかにできます(数か月)。

SIEFに参加し、LOA(Letter of Access)を支払い、ORが共同登録の提出書類を作成し、ECHAに登録フィを払い、登録が完了します。

但し、貴社が独自にCSR(Chemical Safety Report)を作成せねばならない場合は、別途数か月を要します。


(3) SIEFが存在しない場合。


各社の数量が少ない場合は、SIEFがまだ存在しないことがあります。この場合は、大変です。

各社が様子見の状態です。

まず、どこかの会社がSIEF設立の旗振り役、SFF(SIEF Formation Facilitator)にならねばなりません。その後SIEFが設立し、データ収集、不足データの特定、データ取得(試験や分析の実施)、登録書類作成などを経て、ようやく登録できます。

試験や分析の実施が伴う場合が多いので、登録に通常1-2年かかります。



4. リプレとCEA(OR)のREACH業務について。


私どもは、各種試験・分析を含め、REACH各業務についてお客様を支援いたします。